トイレの水を流すと環境問題に貢献できる福岡市!私たちのMIRAIの未来、とは。 2022年3月4日 金曜日
■ 混同されやすい「FCV」と「水素自動車」
「水素を使用」というワードで混同されやすいのが「水素自動車」と「燃料電池自動車(FCV)」。この二つは構造自体が異なり「水素自動車」はガソリンの代わりに水素を燃料とした内燃機関で走行し、「FCV」は水素を使用して発電した電気でモーターを動力にして走行します。
「水素自動車」は燃料の化合物や元素に酸素が結びつく燃焼(酸化)の際に熱と光が生じ、その熱エネルギーを動力として使用する基本原理を利用し、「FCV」は水素と酸素の化学反応のエネルギー(※)を電気エネルギーに転換してモーターを動力にする基本原理を利用しています。
※水を水素と酸素に分ける電気分解の逆の反応を利用した原理。
■水素エネルギー×自動車の歴史
世界初の「水素自動車」が登場したのは1807年(!)で、ナポレオンが活躍したり神聖ローマ帝国が滅んだり、日本では伊能忠敬が全国を測量したりしていた、そんな時代です。その後エネルギーの中心が石炭石油になり始めると水素エネルギーは影を潜めるようになります。
大きく間を空け、環境問題が注目され始める1980年代から改めて水素エネルギーが見直され、1997年の地球温暖化防止京都会議(COP3)で採択された京都議定書をきっかけとして開発・普及が再加速。
他方「FCV」は1960年頃から開発が始まり90年代から00年代にかけてその熱は増して行き、その時流の中でTOYOTA社は今から30年前の1992年に燃料電池の開発に着手、2011年に初代MIRAIの構想を立ち上げ2014年の発売へと繋げて行きます。
前回の「福岡市の市政だより」へのご掲載のお知らせ記事でもご覧いただけるのですが、秀電社の社用車の一台には、TOYOTA社の初代「MIRAI」があります。
それは水素ステーションの電気工事をお引き受けさせていただくようになり、当時代表を務めていた秀嶋(現秀電社顧問)が「自動車の次の100年のために水素エネルギー社会の先駆者となる、これまでにない新しい価値を提供できるクルマ」というMIRAIの想いに共感して購入を決めたもの。
現在のMIRAIの最新モデルは2020年に登場した2代目ですが、初代は「世界初となる市販の燃料電池車」で、自動車業界にも社会にもセンセーショナルで明るい未来を見せてくれました。
■ ≪INTERVIEW≫水素ステーションの電気工事と秀電社のミライ
2015年の水素ステーション建設時の電気工事のこと、そして秀電社のミライについて、顧問の秀嶋に話を伺いました。
On Time:本日は宜しくお願いします。
秀嶋顧問:宜しくお願いします。
On Time:早速水素ステーションの電気工事に関する質問ですが、当時の秀電社は何故この工事を受託できたのか、その理由を教えてください。
秀嶋顧問:はい、今でこそ水処理プラントを代表として多岐に渡る電気工事を行わせてもらっていますが、元来秀電社は「電気計装工事」が得意だったんですよ。
On Time:電気計装工事・・とはどのような工事でしょうか。
秀嶋顧問:電気計装工事とは、配線などを行う通常の電気工事と違い、計測機器を効率的に稼働させるシステムを構築する工事のことを言います。例えばセンサー等何かを計測する機器とそれをオン・オフで制御する機器を通信で組み合わせるシステムを作ってそれを設置する、など。
※image
On Time:技術力が必要とされる工事ですね。それは創業時からでしょうか?
秀嶋顧問:はい。秀電社の電気工事の歴史は、初代の立ち上げ当時はポンプ場の電気工事がメインで、揚水機場や大型冷凍倉庫、清掃工場(ボイラー廻り)のような変遷でどんどん技術を磨いて実力を付けて行きました。その技術力が周囲に認められ、下水上水処理場からエネファーム等新エネルギー(水素等)の仕事を任せていただくようになっていったのです。この水素ステーションに関しては、ある意味「自然の流れで実現できた受注」と言えるかもしれません。
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