ジョイント・ベンチャーで行われる福岡の一大事業 ~こんなトコロに秀電社vol.8 序 ~ 2021年10月19日 火曜日
②JV参画のメリットとデメリット~ JV結成前に必ず確認すべきポイント!~
物事は、コインの表裏のように良し悪しが一体化しているのが世の常です。つまりメリットとデメリットはJVにも存在していて、一般的なJVについてではありますが、それをどう対応するか、何かのご参考になると幸いです。
●メリット
JVに参画すると、
・共同出資の資金力拡大に伴う受注可能性の増加
・工事に対する負担と責任の軽減及び経営リスクの回避
・共同作業を通した施工技術力の強化
などが代表的なメリットとして挙げられます。
共同出資によって資金力が拡大すると、1社単体での受注より経営的な信用も上がるため、金融機関を味方に付けることができ、大規模な工事の入札機会が得られます。そして事業を共同化することで天災や倒産時等の「リスク」を分散させることも可能になり、更に工事現場では高いスキルを求められるため、高度な技法の開発に繋がったり、知識や経験の共有が行われたりすることで会社や担当者の技術力が飛躍的に向上する効果もあります。
●デメリット
一方、JVには参画のリスクやデメリットも同じように存在しています。最もポピュラーな特定JVでは、構成企業数社のうち出資比率が最も高い企業が「スポンサー会社(親)」、それ以外の構成企業は「サブ会社(子)」と呼ばれ、サブ会社はスポンサー会社の一挙手一投足に大きく左右されることがあります。
JVを構成する企業の立場は法的には対等ですが、JVには必ずそのチームを代表して対外折衝や業務執行権限を持つキャプテン的な企業が必要となり、基本的に「スポンサー会社」がそれを務めます。そのためその企業が協定原価の決定権や下請け業社の選定、自社機材等の優先使用など様々なシーンで自社に有利な選択をしやすくなる実情があります。
そうなると、その他の「サブ会社」の構成企業はその影響を直接受ける可能性もあり、それがデメリットとして挙げられます。よって構成企業はそうならないよう、様々な単価を相場と比較したり、業者選定では詳しく企業照会をしたり、常に多角的にコスト管理を行う必要が出てきます。
また、先述の「甲型」では出資比率による案分のため損益共に引き受けるリスク、「乙型」では他者が工事途中で倒産した場合でも安全品質について連帯債務が生じるリスクもあるため、総じて受注後のトラブルが起きないよう結成前に相互に十分な協議を行う必要があるのです。
相互の自衛手段にもなる下記のような基本的協議事項は是非事前に押さえておきたいポイントで、JVにはこれらを十分に行った上で参画する必要があります。
・責任の所在の明確化
・構成する他社の経営状況や施工品質等の確認
・保険加入によるリスクヘッジ
勿論どの工事にも該当はしますが、特にJVの場合は文化が違う様々な企業が集まる事もあるため、一社単体での工事より事前の段取りが重要視されるのは間違いありません。
次のページでは、秀電社はどのようにしてJVを任せていただいたのか、そのお話をさせていただきます。
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